Division of Pathological Neuroscience, Department of Pathology, Tokyo Women's Medical University School of Medicine

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彌生記念教育棟4階

教室員紹介/業績

 日常の仕事は病理診断業務を主体としていますが、研究面では、福山型先天性筋ジストロフィー (FCMD) の中枢神経病変の解析や、原因遺伝子の機能解析を中心に行なっています。
 FCMDは、fukutinを原因遺伝子とし、中枢神経系や眼の形成異常も伴う遺伝性疾患です。脳においては、敷石状脳症といわれる形成異常を示します。脳表面には、星状膠細胞の足突起により形成されたグリア境界膜が存在し、表面は基底膜におおわれているため、星状膠細胞や基底膜に焦点をあてて検討してきました。病理学的には、星状膠細胞におけるfukutinの発現の低下が基底膜の脆弱性をきたし、それによる胎児期のグリア境界膜の破綻と、破綻部からの神経組織の過剰遊走が、脳病変形成の主病因と考えられます。Fukutinが基底膜形成に関与する糖蛋白、-dystroglycan (-DG) への糖転移酵素であることが解明され、この点が裏付けられましたが、fukutinの機能については、まだ未解明な点も残っています。
 星状膠細胞は、グリア境界膜形成のみでなく、血液脳関門の形成や、神経細胞との相互作用など、多岐にわたっており、fukutinの発現低下が細胞機能に影響を与える可能性があります。また、神経細胞では、-DGがシナプス機能と関連していることから、fukutinが神経細胞においても重要な機能をはたしている可能性もあります。
 一方、fukutinは体内諸臓器の細胞にも発現していますが、FCMDで、なぜ筋肉や神経、眼以外に病変がみられないのかは謎のままです。細胞ごとに、fukutinの役割や調節機構が異なっている可能性があります。In vivoでの免疫染色では、細胞質のほか核にも陽性所見がみられ、培養細胞でRNAiを行うと、細胞形態や増殖能などに変化がみられるため、基底膜形成以外の機能に関わっている可能性もあり、これらの点を明らかにすべく、研究を行なっています。

東京女子医科大学 医学部
病理学(人体病理学・病態神経科学分野)

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